インタビュー
2020.04.03

まちの木彫刻師として暮らすこと

熊川宿に関わる人の視点を通じて、熊川宿の魅力を伝える連続インタビュー。 今回は、熊川宿で工房兼住宅を構えておられる木彫刻師の新野さんにお話を伺ってきました。

 

 


---7年前に熊川宿に移住されてきたという事ですが、移住することになった経緯を教えてください。

地元が福井県の三方で、高校を卒業してからは富山県の井波という地域で彫刻を学んでいました。 結婚をした30歳のころに地元に戻ってきてから、親戚の家を借りて彫刻の仕事をしていたのですが、少し手狭だなと感じていました。2年くらいは三方で仕事をしていて、京都に向かう時にいつも熊川宿を通っていました。当時はあまり熊川の事を知らなくて、古い建物が綺麗に残ってるけど閑散としていて、お手ごろ物件がありそうだなと思ったのが第一印象です(笑)。静かで仕事をするのに良い環境だなと感じ役場に空き家がないか問い合わせてみました。 すると、あたらしく始まった空き家バンクで、熊川の空き家を三軒ほど紹介してもらうことができ今の場所に移住を決めました。


---熊川宿での暮らしはいかがですか? 

移住を決めた時から、町の人たちに良くしていただいて、町の集まりにも誘っていただいてます。 仕事が忙しくてあまり参加できない時も、気にしなくて良いよって言ってくれたり、熊川宿の人たちは、外から来た人間も良い距離感で受け入れてくれます。 僕は子供が2人いるんですが、熊川宿の中には子供が楽しめる場所がないので、思いっきり走り回れる公園とかあれば良いですね。


---木彫刻師とは、どんなお仕事ですか?

例えば、だんじり祭で使う山車の装飾を彫ったり、作家として作品を制作しています。 ほとんどの仕事が県外のものですが、熊川宿では、白石神社と松ノ木神社、権現神社の額を作らせていただきました。また2019年11月にオープンした「八百熊川 ほたる」の看板も制作させてもらいました。


---熊川宿で工房を構えてよかったことはありますか?

やっぱり一番は、気分がいいこと!良い古民家で、目の前に川が流れていて、静かに落ち着いて作業ができます。あとは、街道から作業風景が見えるので、外を歩いてる人に興味持ってもらえたりします。平日はお店があまり開いてないので、僕が少しでも街に明かりを灯せたらなと思っています。


---現在、熊川宿の空き家を改修して、忍者道場を計画しておられると伺いました。

大阪と若狭を拠点として活動されている忍者・西浦大介師範の福井道場です。2020年1月にオープン予定です。忍道が学べて、観光客の方も忍者体験ができます。忍者の知恵や技術は、現代社会に応用できるのが面白いところです。 忍者道場に限らず、熊川で楽しめる場所が増えていったらいいなと思います。これからも、木彫刻にこだわることなく、面白いと思うことをしていって、周りの人たちが楽しんでくれたらいいなと思ってます。

 

新野 佑一


新野彫刻店
http://tanemaki.site/nino/

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